コウシンへ

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なぜ私だけが苦しむのか;現代のヨブ記

私が本書を読んで得た回答は、「それはあなたが苦しむに値するほどに深い人生や想いを持っているから」。そして、もしかなうのであれば微かな希望でも見出すべく、ともに語り合ったり手を取り合っていこう。

本書を知ったきっかけは、私が‘日本一の書評家’と尊敬しているdainさんより“苦しい思いをしている人に読んで欲しい”との文句。しかし、かねてより興味はあったものの、キリスト教の牧師が書いたというふれこみからしり込みしていた、、それから数年経ち、人生の辛苦が積み重ってきた折に図書館で偶然あったので借りて読んでみたところ宗教に留まらない著者の想いにふれられた。

本書の内容や秀逸な解釈は下記dainさんの記事がおススメ。
https://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2008/07/post_d2e5.html

最も感銘を受け、私自身の戒めにもなる一文を記す。

私は事故や凶悪な犯罪にまきこまれ、人生をめちゃくちゃにされてもなお、信じられないほどの力で、それもただ単に耐えて生きながらえているというのでなく、自分の人生を積極的に生きている多くの人々に出会いましたし、子どもの頃に受けた虐待の故の心の痛みや罪意識を長い年月をかけて払拭し、人を信じ、愛し、共に笑える自分を取り戻して、自分たちの体験を希望に変え、同じような経験で苦しみ悩んでいる人たちに自らの経験を語りかけ、援助の手をさしのべたいと願っている人たちとも話し合ってきました。そうした人びとの勇気と生きる力に、私は、畏敬の念を抱かずにはいられません。

本書には多様な苦しみが1節ごとに書かれており、読む度に違った答えが生まれる。また、1節あたりは数ページなので本を読む余裕がない情況であっても読めるようになっている。この本の存在は、苦しみに対しての免疫や支えになる。

なぜ私だけが苦しむのか: 現代のヨブ記 (岩波現代文庫)