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パーソナリティ障害-いかに接し、どう克服するか

ここ数ヶ月の私の自身の主要なThemeが‘生き辛さの克服/selfmanagement向上’であり、また人事関連の仕事柄‘human skillに難がある人はどう伸ばしていくのが良いか’というThemeがあった中、本書を読んで私自身の生き辛さの輪郭/歪みが明確にみえた一方、対処法も明確にあった。

私自身は重度のパーソナリティ障害ではないという自覚でありつつも、自制心がなく転職を繰り返したり衝動的な傾向にある点で軽度程度の自覚であるが、下記の一文は言い得て妙だった。

 

パーソナリティ障害の人の主な3つの特徴は、①自分に強いこだわりや過剰な自分への期待を持っている ②とても傷つきやすい ③思い通りにならない他者を、別の意志と感情を持った存在として認められない
バランスの問題であり、ある傾向が極端になることに問題があるということである。障害かどうかのポイントは、本人あるいは周囲が、そうした偏った考え方や行動で困っているかどうか
社会問題化している鬱や引きこもり、依存症、ギャンブル中毒などにも、こうしたパーソナリティの問題が隠れていることが多い。バランスの悪いパーソナリティが、無理な生き方をしてきて、あるいは、そうすることを強いられて、その結果として陥っている面もあるのだ。 

 

原因の根底として、著者は“自尊心の未熟”をあげており、それは教育環境として親から親へ繋がってきた悪循環だと記している。

親が子供に与えてやれるもっとも大切で、かけがえのないものは、自分を大切にする能力だと思う。この能力をたっぷり与えられなかった子供は、さまざまな生きづらさを抱えて生きることになる。大人たちは、そのことを忘れてはならない

対処法として、自身では“パーソナリティの歪みに気づき、その歪みと環境や生き方と調整していく”ことが大事であり、周囲にパーソナリティで苦しんでいる人がいる場合には“その人のパーソナリティの特質を把握し、方針を持って接し、助けていくのであれば過保護にならないよう気をつけていく”との助言もあった。

本書を読み、最も心に刻まれた一文は以下であり、自他ともに孤独に対して緊張感を持ちつつ円熟に向かって研鑽に励んでいく。

パーソナリティ障害を克服した人は、とても魅力的なパーソナリティとして円熟する。それに反して、引きずったまま年取った人は、周囲から煙たがられ、人は離れていき、次第に孤独になっていく。

パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか (PHP新書)